じゃがりこ・フルグラを作る会社の「今」が、実はかなり面白い
じゃがりこ・フルグラを作る会社の「今」が、実はかなり面白い
国民的スナック菓子の雄、カルビー(東証プライム:2229)。スーパーのお菓子コーナーで見かけない日はないほどの存在感ですが、株価チャートが示す通り、ここ最近は少々波乱の展開が続いています。投資家目線で、今のカルビーを丸ごとおさらいしてみましょう。
直近の株価と業績の概況
画像を見ると、2026年5月14日13時49分時点の株価は2,895円、前日比+30.5円(+1.06%)のプラス圏。1週間チャートを見ると5月12日に2,837円の安値をつけた後、切り返しの動きが見て取れます。
肝心の業績はどうかというと、少し複雑な状況です。
2025年3月期の連結売上高は3,226億円(前期比6.4%増)と増収を達成。国内は価格・規格改定の効果やマーケティング強化が奏功し、海外も欧米・インドネシアが伸長しました。連結営業利益も291億円(同6.5%増)と増益を達成し、配当金は1株あたり58円と前期より2円の増額を実現しています。 
つまり直近の本決算(2025年3月期)は「増収増益」という優等生な結果でした。
ところが今期(2026年3月期)は”減益予想”
問題はここからです。
2026年3月期の連結業績予想は、売上高3,390億円(前期比5.1%増)と増収見込みながら、営業利益260億円(同10.5%減)、経常利益263億円(同11.9%減)、純利益175億円(同16.2%減)と、利益面では大幅な減益予想が出ています。 
なぜ売上は伸びるのに利益が減るのか。その主な理由が2つあります。
①新工場の減価償却費問題
2025年1月、優れた環境性能と生産性向上を実現する最新鋭マザー工場として「せとうち広島工場」が操業を開始しました。 この新工場の稼働に伴い、固定費(減価償却費)が大幅に増加しています。
②北海道産ばれいしょの不作問題
今秋の北海道産ばれいしょは収量減・品質低下が見込まれます。生産減に対応し、ばれいしょベース以外の製品を拡販する方針です。 カルビーといえばポテトチップスやじゃがりこが看板商品。原料となるじゃがいもの調達が不安定になると、利益に直撃するわけです。
第3四半期時点での進捗は?
2026年3月期第3四半期(4〜12月)の連結経常利益は前年同期比21.8%減の206億円となり、通期計画263億円に対する進捗率は5年平均の82.2%を下回る78.5%にとどまりました。 
計画比でやや遅れ気味という結果です。
注目の中長期戦略「Change 2025」
暗い話だけではありません。カルビーは2026年3月期を最終年度とする3カ年成長戦略「Change 2025」を推進中です。
この中で、海外や新たな食領域等の成長領域に集中して投資を振り向けることで、将来的に収益性と成長性を両立させる事業ポートフォリオへの転換を図ることを目指しています。 
新規領域として力を入れているのが「食と健康事業」です。パーソナルフードプログラム「Body Granola」の認知拡大に努めているほか、ばれいしょの安定調達に向けた農協との連携を強化し、アグリビジネスの一つとなる冷食事業への本格参入も決定しました。 
株主還元は手厚い
減益予想でありながら、株主還元は充実しています。2026年3月期の1株あたり配当金は66円と予定されており、前期実績の58円から8円もの増配が計画されています。 
株主還元については、総還元性向50%以上、DOE4%を目途に安定的・継続的な増配を目指す方針です。 
まとめ
売上は順調に伸びているものの、新工場の立ち上げコストやじゃがいも不作という二重のコスト逆風が今期の利益を圧迫している状態です。一方で、増配や自社株買いといった株主還元は積極的で、長期的な成長投資も着々と進行中。「今は投資フェーズで耐え時」という見方と「減益トレンドに注意」という見方が交錯する、判断の難しい局面にあります。
投資判断はあくまでご自身でどうぞ。カルビーはおやつとして食べるのが一番かもしれません。
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