「完璧な決算なのに株が売られた」── アマゾン、いま何が起きているのか?


 「完璧な決算なのに株が売られた」── アマゾン、いま何が起きているのか?

272.68ドルという株価。4月半ばの235ドル台から約1カ月で15%以上跳ね上がったこのチャートの裏には、歴史的な決算と、市場が抱える複雑な心理が交錯していました。


決算の中身は「完璧」だった

2026年第1四半期(1〜3月)の売上高は前年同期比17%増の1,815億ドル、純利益は77%増の302億ドルという圧倒的な数字でした。 

特に注目されたのがクラウド事業のAWSです。AWSの売上高は前年同期比28%増の375億ドルとなり、過去15四半期において最も高い成長率を記録しました。 企業による生成AIの利用拡大が、クラウド需要を力強く押し上げています。

経営陣はAI分野でのリーダーシップの要因を「フルスタックアプローチ」にあると説明しており、Amazon BedrockというAI基盤サービスへの顧客支出は前四半期比170%増加しています。 

さらに地味ながら見逃せないのが広告事業です。広告収入は前年同期比24%増の172億ドルに達しており、AWSと並んで同社で最も安定した高成長部門の一つであることが示されました。 


なぜ決算後に株価が下がったのか?

あらゆる数字でウォール街の予想を超えたにもかかわらず、引け後の時間外取引でAmazon株は一時7%以上下落しました。 市場が嫌気したのは2つの「重荷」です。

**1つ目は設備投資の膨張。**2026年第1四半期単独の設備投資は442億ドルに達し、1年前の250億ドルから大幅に増加しました。Amazonは今年の年間設備投資を約2,000億ドルとする計画を示しており、これは過去に企業が1年で計画した金額として史上最大規模です。 CEOのジャシー氏は「AIは一生に一度の機会」として強気の姿勢を崩しませんが、投資から収益化までには6〜24カ月のタイムラグが生じると経営陣自身が認めており、直近12カ月のフリーキャッシュフローは前年の259億ドルから12億ドルへと急減しています。 

**2つ目はトランプ関税リスク。**対中関税の強化は、中国からの輸入品に依存する多くのサードパーティセラーのコスト構造を直撃しています。関税導入前に前倒しした在庫の多くが既に底をついてきており、第2四半期以降の価格動向と在庫状況には警戒が必要です。 


物流業界を震撼させた新展開

5月初めにはもう一つ大きなニュースがありました。アマゾンが物流サービス事業の拡大を発表したことを受け、フェデックスの株価が一時9%以上下落、UPS株も一時10%下げました。物流仲介業者や貨物航空業者にも大きな影響が及ぶとみられており、アマゾンが業界の「転換点」を作ったとの見方が広がっています。 

配送網を自社で握ることで、コストを下げながら競合を締め出す──アマゾンの牙城はさらに強固になりそうです。


今後の注目ポイント

2026年第2四半期の売上高ガイダンスは1,940〜1,990億ドルを見込んでいます。また、低軌道衛星による商用インターネットサービス「Amazon Leo」が第3四半期のローンチに向けて準備中で、衛星インターネットという全く新しい収益源が加わる可能性があります。 

アナリストの大勢はAmazon株に対して強気を維持しており、UBSは304ドル、ゴールドマン・サックスは290ドル、エバーコアは285ドルを目標株価として掲げ、足元の株価水準から10〜15%の上昇余地を想定しています。 


チャートを見ると、移動平均線(青・赤の2本)はともに右肩上がりで株価を下支えしています。短期的な上値の重さは残りますが、AI時代の「インフラの王者」としてのアマゾンの地位は揺るぎないと言えそうです。第2四半期決算が出る7月頃が、次の大きな山場になるでしょう。​​​​​​​​​​​​​​​​



※前提として、この画像(過去の値動き)だけを見た直感的・統計的な推測です。投資助言ではありません!  これはAIによる分析や個人的な予想であり、投資助言ではありません。  投資判断は自己責任でお願いします。 

コメント

このブログの人気の投稿