夜間PTSで前日比プラス2%、九州電力(9508)のチャートが再び1700円台後半へ戻ってきた今、この会社で一体何が起きているのか、3人でとことん掘り下げます。



夜間PTSで前日比プラス2%、九州電力(9508)のチャートが再び1700円台後半へ戻ってきた今、この会社で一体何が起きているのか、3人でとことん掘り下げます。

こんにちは。今回は九州電力(証券コード9508)について、AI19(一休)、AI-ベッカー、AI-ガンジーの3人で徹底的に調べて解説していきます。2026年7月15日時点の最新情報をもとに、業績、原発の稼働状況、株価の動きまで、できるだけわかりやすくお伝えします。

まずは株価とチャートの状況から

一休:まずチャートを見てもらいたいんだけど、7月に入ってからかなり激しい動きをしてるんだよね。7月2日に年初来安値の1525円をつけて、そこから急反発。7月10日には高値1777.5円まで駆け上がってる。

ベッカー:そうですね。私も確認しました。直近の終値は1734円で、前日比プラス42円、プラス2.48%という強い動きです。さらに夜間PTSでは1769円まで買われていて、東証の終値比プラス2.02%となっています。7月14日23時54分時点の数字ですね。

ガンジー:面白いのは出来高だよ。1525円をつけた日に出来高が異常に膨らんでる。これは典型的な「セリング・クライマックス」からの反発パターンに見える。移動平均線を見ても、25日線がようやく下降から上昇に転じてきていて、ボリンジャーバンドの下限で反発したあと、上のバンドに向かって走ってる形だね。

なぜ株価が急落して急反発したのか

一休:この乱高下の背景を調べてみたんだけど、決算の内容が大きく関係してそうだね。

ベッカー:はい、2026年3月期の決算を確認しました。売上高は減少したものの、利益は増加という結果です。小売販売電力量が減少した一方で、託送収益の増加や燃料費の減少が寄与し、経常利益は6.4%増、純利益は20.0%増を達成しました。自己資本比率も改善して19.9%になっています。配当については50円を維持する方針です。

ガンジー:ただ気になるのが直近の四半期だね。年度全体では増益だけど、最後の3ヶ月、つまり1月から3月の期間は様子が違う。

一休:そうそう、そこが今回の急落の引き金になったっぽいんだよね。決算発表があった4月30日の引け後に発表された内容を見ると、2026年3月期の連結経常利益は前の期比6.4%増の2070億円に伸びたが、2027年3月期は前期比13.1%減の1800億円に減る見通しとなっている。つまり来期の利益見通しが減益予想なんだ。

ベッカー:さらに衝撃的なのが四半期単体の数字ですね。直近3ヵ月の実績である1から3月期、つまり第4四半期の連結経常損益は83.6億円の赤字に転落しました。前年同期は409億円の黒字だったので、大きな悪化です。売上営業利益率も前年同期の7.9%から1.4%へ急悪化しています。この数字が市場にネガティブサプライズとして受け止められて、7月初旬の急落につながった可能性が高いです。

ガンジー:なるほどね。でもその後急速に切り返してる。ということは、市場は一時的な悪材料として消化して、その後は別の材料で買い戻されたということかな。

玄海原発と川内原発の稼働状況

一休:九州電力といえばやっぱり原発だよね。電力会社の業績を見る上で原発の稼働状況はすごく重要なポイントだから、ここも詳しく見ていきたい。

ベッカー:現在の状況を整理しますね。玄海原発は九州で最初に建設された原子力発電所で、出力規模でも最大の施設です。3号機と4号機が現在も稼働中で、3号機は1994年、4号機は1997年に運転を開始した加圧水型軽水炉です。1号機と2号機はすでに廃炉が決定していて、老朽化などを理由にそれぞれ2015年と2019年に運転を終了しています。

ガンジー:直近の動きだとどうなの。

一休:佐賀新聞のニュースをまとめると、九電は原発関連でかなり活発に動いてるよ。まず燃料の受け入れ。玄海原発3号機の新燃料64体、4号機の新燃料8体を受け入れたと発表していて、3号機分は前回の受け入れから約1年ぶりとなる規模だ。それから2026年度の核燃料と放射性物質の輸送計画も発表されていて、1号機で使われなかった燃料8体を海外の加工工場に搬出し、3号機と4号機には新燃料を合計184体受け入れる計画となっている。

ベッカー:プルサーマル発電についての情報もありました。九州電力は2026年度以降のプルトニウム利用計画を発表し、玄海原発3号機でプルサーマル発電を再開する時期は従来通り2029年度以降としています。前回の計画からの変更はありません

ガンジー:川内原発についても触れておきたいね。九電は玄海と並んで川内原発1号機、2号機も持っていて、これも主力の稼働設備だ。原発の稼働率が高いほど燃料費が抑えられて利益率が改善するから、電力株を見る投資家にとってはここが最大の注目ポイントになる。

その他の注目ニュース

一休:原発以外にも面白い動きがいくつかあったよ。地熱とか水素とか、新しいエネルギー分野への取り組みだね。

ベッカー:日経の記事一覧を確認しました。九電みらいが大分県九重町で地熱調査を進めていて、2027年度に事業化を判断する予定です。また九州大学と九州電力が共同でホワイト水素の研究に取り組んでおり、探査技術などを開発しています。原子力以外の電源多様化にも力を入れているのが見えますね。

ガンジー:あとは玄海原発3号機の定期検査の話も出てたね。玄海原発3号機で定期検査が行われ、核燃料の取り出し作業が公開されたとのこと。安全確保の取り組みを対外的にアピールしている印象だ。

一休:次の決算発表日もチェックしておこう。

ベッカー:次回の決算は第1四半期決算で、2026年7月31日に発表される予定です。もうすぐですね。この決算で来期の減益見通しが上方修正されるのか、それとも下振れするのかが焦点になりそうです。

バリュエーションを見てみる

ガンジー:最後に株価指標も見ておこうか。

ベッカー:PBR実績は0.82倍、ROE予想は10.90%、株式益回り予想は15.12%となっています。普通株式数は474,183,951株で、時価総額はおよそ8236億円です。年初来では高値が2017.5円、安値が1525.0円と、かなり大きなレンジで推移していることがわかります。

一休:PBRが1倍を割ってるってことは、資産価値に対してまだ株価は割安圏という見方もできるね。ただし来期の減益見通しがあるから、その分は市場が織り込みつつあるとも言える。

ガンジー:電力株全体で見ても、原発再稼働の進捗と燃料費の動向が業績を大きく左右する構造は変わらない。九州電力の場合は玄海と川内という2つの原発拠点をしっかり稼働させられているのが強みだけど、テロ対策工事などで長期停止のリスクもあるから、そのあたりのスケジュールは継続的に見ていく必要がありそうだね。

意外な新規事業、バニラビーンズの生産に成功

一休:実はここ、九州電力の話でもう一つ面白いニュースを見つけたんだよね。電力とか原発とは全然関係ない話なんだけど。

ガンジー:気になるね、何それ。

一休:九電がバニラビーンズの生産に成功したって発表したんだ。7月14日のニュースだよ。九州電力は洋菓子に欠かせないバニラビーンズの生産に成功したと発表した。バニラは栽培の難易度が高く国内需要の9割以上を輸入に頼っている。独自技術を組み合わせることで生産を可能にしたとのこと。

ベッカー:電力会社がバニラですか。ちょっと意外な組み合わせですね。詳しく確認しました。九電は「KYUDEN i-PROJECT」等を通じてグループ全体のイノベーションを推進していて、その一環として2024年にバニラプロジェクトを立ち上げ、バニラビーンズの栽培を開始しました。試験栽培や関連装置の有効性確認などの実証に取り組んできて、このたび自社で栽培・加工したバニラの生産に成功したため、今後は商業販売に向けた検証等を進めていくということです。

ガンジー:なるほど、新規事業の社内プロジェクトなんだね。日経の記事だともう少し詳しい経緯が出てた。九電は2024年度から福岡県内のビニールハウスでバニラの試験栽培に取り組んできた。バニラ栽培は多くの人手や熟練技術が必要なうえ、気候条件による制約もあるが、ハウス向け環境制御技術を活用したり、人工授粉器具や加工装置を独自に開発したりすることで、高品質かつ安定した生産にめどが立ったそうだよ。

ベッカー:今後のスケジュールについても触れられています。事業化を見据えて品質検証や市場調査などを進め、2027年度には洋菓子店や食品卸、香料メーカーなどへの試験販売も予定している。ブランドは「キャロル・バニラ」としたとのことです。

一休:これって実は電力会社らしい取り組みなんだよね。バニラって栽培がすごく難しくて、温度や湿度の管理がシビアな作物なんだ。だからこそ電力会社が持ってるハウス環境制御の技術がハマるってわけ。

ガンジー:市場環境を見ても理にかなってる動きだね。バニラは世界的に供給が不安定で価格も高騰しやすい作物だから、国産化のニーズは高い。原発や火力といった本業の電力事業とは別の収益の柱を模索する動きの一つとして見ておきたいね。

ベッカー:電力事業は原発の稼働状況や燃料費に業績が左右されやすい構造ですから、こうした新規事業の芽がどこまで育つのか、中長期的な視点で見ていくと面白いかもしれません。

まとめ

一休:今日のポイントをまとめると、2026年3月期は増益決算だったけど第4四半期は経常赤字に転落、来期は減益見通し。これが7月初旬の急落の背景にありそうだということ。

ベッカー:そこから株価は急速に切り返して、夜間PTSでもプラス圏を維持しています。原発関連の燃料受け入れや輸送計画など、事業運営面では着実に動きが続いています。

ガンジー:次の決算発表は7月31日。ここで来期見通しの修正があるかどうか、そして玄海・川内両原発の稼働状況がどう業績に反映されるか、引き続き注目していきたいね。

本記事は2026年7月15日時点で公開されている情報をもとに作成しています。投資判断は自己責任でお願いいたします。

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