ロームが年初来高値5,950円をつけて即反落!パワー半導体三国志の行方を一休・ベッカー・ガンジーが徹底解説
ロームが年初来高値5,950円をつけて即反落!パワー半導体三国志の行方を一休・ベッカー・ガンジーが徹底解説
半導体大手ローム(6963)が、まさかの乱高下を見せています。年初来高値5,950円まで駆け上がったと思ったら、翌営業日には一気にマイナス3.82%の急落。この激しい値動きの裏に何があるのか、AI19の一休・ベッカー・ガンジーの3人が今日も本音でぶつかり合いながら解説していきます。
今日のテーマ:ローム(6963)の急騰・急落の理由と、パワー半導体業界を揺るがす大型再編劇の今
まずは株価の現在地から確認しよう
一休:おっ、今日はローム(6963)だね。チャートを見ると、6月上旬は4,439円あたりからスタートして、そこからじわじわ上げてきて、7月に入ってから一気に5,950円まで駆け上がってる。すごい上昇力だ。
ベッカー:そうなんだよ。でも今日、7月6日の朝は5,723円まで下げていて、前日比マイナス227円、率にしてマイナス3.82%だ。急騰した反動で利益確定売りが出ている典型的な動きだね。チャートを見ると直近で長い陽線をつけたあとに大きめの調整が入っている形が見える。
ガンジー:まあまあ、驚くことじゃないさ。1ヶ月で株価が3割以上も跳ねたんだから、一旦利益を確定したい投資家が出てくるのは自然なこと。むしろ問題は、なぜここまで急騰したのかっていう理由の方だよ。
発端はデンソーによる大型買収提案だった
一休:この急騰の背景には、実は数ヶ月前から続く大きなドラマがあるんだ。今年2月、トヨタ系列のデンソーがロームに対して、TOB(株式公開買い付け)による全株取得、つまり完全子会社化を提案していたんだよ。
ベッカー:金額規模も1兆円を超える大型案件だったと報じられていて、当時ロームの株価はストップ高をつけるほど市場が沸いた。ただロームは社外取締役で構成する特別委員会でこの提案を検討した結果、賛同する結論には至らなかったんだ。
ガンジー:興味深いのはそのタイミングだよ。デンソーがTOBを提案した直後の3月、ロームは東芝とパワー半導体事業の統合交渉を進めていることが明らかになった。まるでデンソーに対抗するかのようなタイミングだったんだ。
ローム・東芝・三菱電機の3社連合構想
一休:そして3月27日、ロームと東芝、さらに三菱電機まで加わった3社での事業・経営統合協議入りが正式に発表された。三菱電機のパワーデバイス事業、ロームの半導体事業、東芝の子会社である東芝デバイス&ストレージの半導体事業を統合しようという壮大な構想だ。
ベッカー:この3社が統合すれば、有効需要ベースで世界シェアランキング8位に浮上するとされていて、特にパワー半導体分野では世界2位クラスの連合になるとの見方も出ている。日本のパワー半導体を世界で戦える規模に育てようという狙いなんだ。
ガンジー:ただし三菱電機の社長は、パワー半導体事業だけを切り出して合弁会社を作りたいという考えを示していて、ロームと東芝が目指す半導体事業全体の統合とは温度差があるとも言われている。まだ協議は始まったばかりで、決まったことは何もないんだよ。
デンソーはなぜ買収提案を撤回したのか
一休:そして4月28日、デンソーはロームへの買収提案を正式に撤回した。ローム側の賛同が得られず、自社の企業価値向上にはつながらないと判断したためだ。撤回発表の裏で、デンソーは代わりに自己株買いを実施することも合わせて発表している。
ベッカー:デンソー撤回のニュースが流れた際、実はロームの株価は一時急落しているんだ。TOBによるプレミアム価格での買い取りへの期待が剥落したことが理由だとされている。ただその後、ロームとデンソーは引き続きアナログ半導体分野での連携を続けることで合意していて、完全に手を切ったわけではない。
ガンジー:面白いのは、トヨタ社内からはロームによるデンソー案拒否に懸念の声もあったと報じられている点だね。デンソーとしても半導体戦略の練り直しを迫られる格好になった。企業買収というのは提案する側にもリスクがあるといういい例だよ。
足元の業績はどうなっているのか
一休:ここで業績面も確認しておこう。2026年3月期の通期実績は、売上高が4,811億円で前期比7.3%増と増収を確保し、営業利益と経常利益は黒字転換している。ただし大きな注意点があって、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体事業に関する固定資産の減損損失を計上した結果、最終損益は1,584億円の純損失になっているんだ。
ベッカー:これは電気自動車市場の成長ペースが従来の想定を下回ったことが背景にある。ロームは世界トップを目指してSiC分野に積極投資をしてきたんだけど、その投資回収計画が狂ってしまい、いわゆるSiCバブルの後遺症とも言われる状況に陥っている。
ガンジー:とはいえ2027年3月期の会社予想では、売上高5,100億円、営業利益300億円という増収増益シナリオを描いている。パワー半導体そのものの中長期的な需要は、電動化や省エネ化のトレンドを背景に拡大基調が続くと見られていて、決して悲観する話ではないんだ。
アナリストの評価は強気と弱気が真っ二つ
一休:証券各社のレーティングを見ると、かなり評価が割れているのが特徴的だ。欧州系大手証券は弱気を継続しつつ目標株価を3,700円に引き上げる一方で、別の欧州系大手証券は逆に強気に引き上げて目標株価8,300円という強気な数字を出している。
ベッカー:米系大手証券も強気にレーティングを引き上げ、目標株価6,500円としている。日系証券は据え置きながらも目標株価は引き上げる動きが目立つ。全体として見ると、目標株価のレンジが2,100円から8,300円までと非常に広く、市場参加者の間で見方が大きく分かれている状況だと言える。
ガンジー:これはつまり、3社統合協議の行方やSiC事業の立て直しがどう進むかによって、企業価値の評価がガラッと変わる可能性があるということだよ。不確実性が高いからこそ、株価のボラティリティも大きくなっているんだ。
今後の注目ポイントを整理する
一休:最後に、今後注目すべきポイントを整理しておこう。まず一つ目は、ローム・東芝・三菱電機の3社統合協議がどこまで具体化するかだ。基本合意はできているものの、工場や開発、販売機能の統合方法など、詰めるべき課題はまだ山積みだと社長自身も認めている。
ベッカー:二つ目はSiC事業の収益改善のペースだね。減損を計上した後、どう黒字化に向けて舵を切っていくのか。三つ目はデンソーとの継続連携がアナログ半導体分野でどう発展していくか。買収は白紙になったが、協業自体は続いている点も見逃せない。
ガンジー:そして何より、今日のような急落を単なる悪材料と捉えるのではなく、これまでの急騰に対する自然な調整と捉える視点も大切だ。パワー半導体という成長分野に位置しながら、業界再編の主役級のポジションにいるロームの動向は、これからも目が離せないね。
この記事は2026年7月6日時点の公開情報をもとにまとめたものです。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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