2日で株価倍以上、KLabがゲーム会社からAIトレードと防衛ドローンの銘柄に変貌中
2日で株価倍以上、KLabがゲーム会社からAIトレードと防衛ドローンの銘柄に変貌中
KLab(3656)を一休・ベッカー・ガンジーの3人が徹底解説します
一休:おっす二人とも。今日はKLab(3656)や。7月7日時点で株価233円やけど、この動きが尋常やないんや。
ベッカー:そうですね。まず数字を確認しておきましょう。年初来安値は7月1日につけた189円でした。そこからわずか数営業日で241円まで戻す場面がありました。
ガンジー:189円から241円って、かなりの上げ幅ですね。何か大きなニュースがあったんですか。
一休:あったで、それも立て続けに2つや。まず一つ目が7月1日、AIを使った自動取引システムの本番運用スタートや。
AI自動取引システムがついに実運用へ
ベッカー:詳しく整理しましょう。KLabは、AIを活用した金融商品の自動取引システムについて、これまでの開発およびテストの結果を踏まえ、2026年7月1日より本AIトレードを使った自己資金の運用を開始したと発表しています。
ガンジー:ゲーム会社が急にAIトレードを始めたってことですか。ちょっと意外な組み合わせですね。
一休:実はいきなりやない。2026年2月9日に本AIを開発中であることを公表して以降、バックテスト、デモトレードを通じてAIモデルの精度の検証と向上を図るとともに、自己資金運用に向けてリスク管理体制の整備、本番環境の整備、セキュリティ対策等を行ってきたんや。半年近く準備してきた話やな。
ベッカー:初期の運用規模についても触れておきたいですね。それら一連の準備が予定通り完了したことから、初期運用額として1000万円から運用を開始しました。いきなり大きな金額を投じたわけではなく、まずは小さく始めた形です。
ガンジー:1000万円って会社としては控えめな金額ですね。今後増やしていく予定はあるんですか。
一休:あるで。今後は運用状況、リスク管理状況を確認しながら、運用資金を段階的に追加し、ゲーム事業に続く事業の柱に育てていく方針や。ただし、今期業績への影響は現時点では未定としとる。
ベッカー:気になるのはこのAIの中身ですよね。どういう仕組みで判断しているのか、少し補足します。EMAスプレッドやRSIなどのテクニカル指標、ATRなどのボラティリティ指標、デリバティブ情報、オンチェーン情報など、90以上のパラメータを1時間毎に分析し判断する仕組みです。上昇・下落・レンジなどの相場レジームをAIが判定し、そのレジームに最適な売買ロジックやリスク管理を適用します。
ガンジー:90以上のパラメータを1時間ごとに分析ってかなり本格的ですね。過去の検証結果はどうだったんでしょうか。
一休:そこがまた強気な数字なんや。バックテストでは2022年から2025年の4年間で最大857%の収益率を記録したと主張しとる。今年3月14日から6月29日にかけて実施したデモトレードでは、同期間にビットコイン価格が16.4%下落したのに対し、プラス4.4%の回収率を達成したとしとるんや。
ベッカー:数字はインパクトがありますが、会社自身がリスクについても明確に注意喚起しています。バックテストについて「オーバーフィッティング(過剰最適化)が発生している可能性は否定できない」と明示しており、実運用においても市場要因により成果が低下するおそれがあるとしています。
ガンジー:過去のデータに合わせすぎている可能性があるってことですよね。派手な数字だけを見て飛びつくのは危ないということですね。
一休:そういうことや。あと紛らわしいけど、KLabは前からビットコインとゴールドを持つ財務戦略もやっとる。「デュアル・ゴールド・トレジャリー(DGT)」というビットコインとゴールドの間で年1回程度のリバランスを行うだけの財務戦略で、DGTとAIトレードは全く異なるプロジェクトとして異なる部署で運営しているんや。
ベッカー:ただし将来的には統合していく方針も示されています。今後はDGTとして保有するビットコインを段階的にAIトレードに移管していき、2026年度末を目処に、KLabが保有するすべてのビットコインをAIトレードにて運用する方針です。
ガンジー:なるほど、今後は財務戦略としてのビットコイン保有と、AIトレードが一本化されていくということですね。この材料のあと、株価はどう動いたんですか。
一休:これが素直に反応したで。KLabは3日ぶり大幅反発。同社は1日、AIを活用した金融商品の自動取引システムについて、これまでの開発およびテストの結果を踏まえ、同日より同システムを使った自己資金の運用を開始したと発表した。この材料でまず一段高になったんや。
2つ目の材料はUAEでの対ドローン防衛システム
ガンジー:それだけでもインパクトあるのに、まだ材料があるんですか。
一休:あるんや、しかも今度は防衛関連や。7月6日に飛び出したニュースやな。
ベッカー:詳しく見ていきましょう。KLabは後場急伸している。7月6日正午ごろ、高度なRF(無線周波数)技術を有する海外防衛企業とアラブ首長国連邦(UAE)における対ドローン防衛システムの導入推進に向けた覚書(MOU)を締結したと発表しており、好感した買いが集まっている。
ガンジー:対ドローン防衛システムって、具体的にどういう仕組みなんですか。
ベッカー:詳細が公開資料に記載されています。今回導入を推進するシステムは電波妨害技術などを活用することで、不正飛行するドローンを探知・識別・無効化するものです。なお、守秘義務及び安全保障上の観点から提携先企業名や製品名などは非開示とされています。
一休:相手企業の名前が明かされとらんのは、ちょっと気になるところやけど、安全保障案件やから仕方ないところもあるやろな。
ガンジー:KLabって元々ゲーム会社ですよね。防衛やUAEとの繋がりって、いつからあったんですか。
一休:実はUAEとの繋がりは前からあるんや。KLabは中東進出を見据えドバイに子会社を設立しており、昨年にはUAE王族系から巨額の資金調達も実施しとる。
ベッカー:それに加えて、直近でも中東関連の動きが続いています。KLabはアラブ首長国連邦に子会社を設立し、中東・北アフリカ地域でプロモーションを行う体制を整えています。
ガンジー:なるほど、UAEとの資本関係や拠点がすでにあったからこそ、今回の防衛分野での提携にもつながったということですね。この材料が出て、株価はどれくらい動いたんですか。
一休:これがすごいんや。7月6日の現在値は241.0円、前日比プラス46.0円、率にしてプラス23.59%やった。
ベッカー:この日の値動きは市場全体でも注目されています。この日の動意株として、三菱重工、IHI、川崎重工、KLab、サンリオなどが挙げられていました。防衛関連の大型株と並んで名前が挙がるくらい、材料株として意識されたということですね。
本業のゲーム事業の状況はどうなっているのか
ガンジー:ここまで新規事業の話ばかりですが、本業のゲーム事業の業績自体はどうなんでしょうか。
一休:そこもちゃんと押さえとかなあかんな。ベッカー、頼むわ。
ベッカー:2026年12月期第1四半期の決算内容を確認しましょう。ゲーム事業の減収をその他事業がカバーし、売上高は前年同期比4.3%増の17.05億円となりました。しかし、新規事業への積極投資により営業損失は4.53億円に拡大しています。
ガンジー:売上は伸びているけど、赤字幅は拡大しているということですね。通期の見通しはどうなっていますか。
一休:通期は黒字化を見込んどる。通期では売上高170億円、営業利益10億円を見込んでおり、新規タイトルや新規事業による業績回復を目指しとるんや。
ベッカー:ゲーム分野では明るい材料もあります。開発を手がけたドラゴンクエストの最新作について、配信の出足が好調だったことで株価が急反発した局面もありました。
ガンジー:本業のゲームでもヒット作が出ているんですね。ただ前期の決算を見ると赤字がかなり大きかったという情報もありましたが。
一休:そこは事実や。2025年12月期は売上高68億5600万円、営業損益13億400万円の赤字、経常損益14億2100万円の赤字、最終損益41億7600万円の赤字やった。かなり厳しい決算やったんは間違いないで。
ベッカー:だからこそ会社としても、ゲーム一本足打法からの転換を急いでいるという見方ができます。AIトレードや中東での防衛関連事業は、その多角化戦略の一環と捉えられます。
チャートの形はどう見るか
ベッカー:チャートの形状を整理しておきましょう。6月10日前後の269円あたりから下落トレンドが続き、6月23日以降は下げが加速して7月1日には年初来安値の189円まで売られました。そこから一転して急反発し、直近では241円まで戻しています。
一休:25日移動平均線と75日移動平均線は両方とも下向きが続いとって、株価はずっとその下に沈んどった状態やった。それが直近の急伸で一気に移動平均線を上抜けてきとる形やな。
ガンジー:出来高もかなり急増しているように見えますね。
ベッカー:その通りです。AIトレード開始と防衛関連の覚書という2つの材料が短期間で重なったことで、出来高を伴った急騰になっています。ただしこうした材料株的な動きは、材料が出尽くした後に反動が出やすい点には注意が必要です。
一休:投資家心理の面でも過熱感が出とるで。直近1週間の投稿では、強く買いたいが58.68%と最も多く、次いで強く売りたいが29.75%と、強気と弱気の意見がはっきり分かれとる状況や。
ガンジー:買い方と売り方でかなり意見が割れているんですね。それだけボラティリティの高い局面ということですね。
まとめ
ガンジー:今日の話をまとめると、KLabはもともとゲーム会社ですが、AI自動取引システムの本番運用開始と、UAEでの対ドローン防衛システムの覚書という2つの材料が短期間で重なって、株価が急騰したということですね。
ベッカー:はい。本業のゲーム事業は依然として厳しい状況が続いていますが、新規タイトルの好調や通期黒字化計画もあり、業績回復への期待も一部にはあります。ただし、AIトレードの実績はまだ短期間のもので、バックテストの過剰最適化リスクや、防衛案件の相手先企業が非公開である点など、不確実な要素が多い点には注意が必要です。
一休:短期間で複数の材料が重なって株価が跳ねた銘柄やからこそ、勢いだけを追いかけるんやなくて、それぞれの事業がどこまで実際の利益につながるんかを、これからも継続してチェックしていくのが大事やな。今日はここまで、また次回や。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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