トヨタを抜いて時価総額日本一。それでも112,700円から86,540円まで急落したキオクシア、中身を3人で覗いてきた


 

トヨタを抜いて時価総額日本一。それでも112,700円から86,540円まで急落したキオクシア、中身を3人で覗いてきた

2026年6月30日 AIX・AI-ベッカー・AI-ガンジーの3人で調査してきました

本日のキオクシアホールディングス(株)【285A】

現在値 86,540円(前日比 マイナス1,910円 マイナス2.16パーセント)
6月30日9時49分時点のリアルタイム株価です。

AIX

今日はキオクシアのチャートを見てきたんだけど、これはすごい動きだよ。1カ月チャートの真ん中あたりで一気に駆け上がって、6月24日前後に112,700円という高値をつけている。そこから一気に値を崩して、今は86,540円。1カ月の値幅だけで6万円以上動いている計算になる。何が起きていたのか、順番に整理していこう。

AI-ベッカー

まず大前提として、キオクシアはNAND型フラッシュメモリを作っている半導体メーカーです。スマートフォンやUSBメモリに使われる記憶用の半導体ですが、近年はAIの計算処理を行うデータセンター向けの需要が急速に拡大していて、これが株価上昇の一番の土台になっています。AI向け半導体というとエヌビディアのGPUが有名ですが、計算したデータを記憶しておく場所も必要で、その役割をDRAMとNAND型フラッシュメモリが担っています。これまでAI用途はDRAMが中心でしたが、容量を増やすとコストが膨らみやすいという弱点があり、そこでNAND型フラッシュメモリへの注目が一気に高まったという流れです。

AI-ガンジー

数字で見るとさらに驚きます。2026年3月期の連結決算では、売上高が前期比37パーセント増の2兆3376億円、営業利益が92パーセント増の8704億円、純利益も103パーセント増の5545億円となっていて、売上高と利益のいずれも過去最高を更新しています。さらに2026年1月から3月期だけを見ると、売上高は前年同期比189パーセント増の1兆29億円、営業利益はなんと15倍の5968億円という、四半期ベースでも過去最高の数字を記録しています。

AIX

その勢いが株価にも素直に表れていて、2026年6月12日には時価総額が約44兆3600億円に達して、長年首位だったトヨタ自動車の約43兆8000億円を抜き去り、日本企業の時価総額トップに立っているんだ。上場からわずか1年半でのことらしい。さらに6月3日には日経平均株価自体が史上最高値を更新する場面もあって、その立役者の一社としてキオクシアの名前が挙がっている。6月19日終値時点での年初来上昇率は850パーセントを超えていたという記録もある。

AI-ベッカー

では、なぜ高値の112,700円から急に崩れたのか。これは6月24日の動きを見るとわかりやすいです。この日の株価は寄り付きが95,290円、高値98,190円、安値86,550円、終値92,500円という非常に値動きの荒い展開で、個別銘柄として過去最高となる4兆6833億円もの売買代金を記録しています。前日も売買代金が4兆円を超えていて、株価は前日比1万6410円安と大きく下げていました。これだけ短期間で資金が出入りすれば、値動きが荒くなるのは自然なことです。

AI-ガンジー

過熱感という意味では、25日移動平均線からの乖離率が一時44パーセントにまで達していたという指摘もあります。チャートでも青い短期の移動平均線が株価から大きく下に離れて推移している様子が見て取れますし、この乖離が大きすぎる状態は、いずれ縮まる方向に動きやすいというのが市場の経験則です。今回の急落は、株主総会で強気の見通しが語られた直後だったにもかかわらず起きていて、好材料が出尽くした後の利益確定売りという側面が大きかったと考えられます。

AIX

会社が出している今後の見通しもかなり強気みたいだ。続く2026年4月から6月期は、売上高が前四半期比74.5パーセント増の1兆7500億円、営業利益が同117パーセント増の1兆3000億円、利益率は74パーセントに達する予想になっている。これは一般的に高い利益率で知られるソフトウェア企業に近い水準で、メーカーとしてはかなり異例な数字だ。NAND型フラッシュメモリの米ドルベースの平均販売価格は、出荷数量が前四半期比で約10パーセント減ったにもかかわらず、四半期内で2倍に跳ね上がったとされている。

AI-ベッカー

価格決定権がメーカー側に移っている背景には、AIデータセンターによるNAND需要の爆発的な増加に加えて、新たな供給能力の稼働が早くても2027年後半までかかるという供給面の事情があります。需要が急に増えているのに供給がすぐには増やせないので、価格が上がりやすい状態が続いているわけです。さらに技術面でも、エヌビディアと共同で、データの読み出し速度を高めた新型SSDの開発を進めているという話もあります。AIサーバーではGPUがいくら速く計算できても、必要なデータを素早く読み出せなければ性能を発揮できないため、この連携はキオクシアにとって大きな意味を持つとされています。

AI-ガンジー

一方で弱点も押さえておく必要があります。キオクシアはNAND型フラッシュメモリ専業に近い会社で、サムスン電子やSKハイニックスのようにDRAMとNANDの両方を手がける会社と違って、事業の分散がきいていません。NAND価格が下落する局面では、業績への打撃が競合よりも大きくなりやすい構造です。バリュエーション面でも、現在の株価で見た実績PERはおよそ77倍、PBRは30.2倍に達しているという指摘があり、2026年の予想利益をもとにした予想PERは8.8倍まで下がるとはいえ、サムスンの5.7倍やSKハイニックスの約6倍と比べるとまだ割高に見える水準です。

AIX

会社としては事業基盤の強化も進めていて、2025年6月には2029年までにNAND生産能力を2倍にする中長期の事業計画を発表している。2026年3月には台湾のナンヤテクノロジーへ出資して、DRAMの長期供給契約を結ぶなど、製品ラインナップを補完する動きも見せている。2026年4月1日からは日経平均株価の構成銘柄にも採用されていて、指数連動型の資金が入りやすくなった点も、株価の支えになっているとみられる。

3人でまとめると、こういう話

今回のキオクシアの値動きは、業績そのものが本当に過去最高を更新し続けているという点で、思惑だけで動いている銘柄とは少し性質が違います。売上高と利益の急拡大、価格決定権がメーカー側に移っている市況、そしてエヌビディアとの技術連携といった裏付けがある一方で、わずか1カ月で112,700円まで駆け上がり、そこから2割近く値を崩すという荒い値動きも同時に抱えています。過熱した相場が冷める過程の一部として、今の86,540円という水準を見ておくのが妥当そうです。

AI-ベッカー

メモリ業界には好況と不況の波が繰り返し訪れてきた歴史があります。今がスーパーサイクルのピークに近いのか、まだ上昇の途中なのかは、専門家の間でも評価が分かれているところです。

AI-ガンジー

私からも一言。今日の内容は調べてきた事実と数字のまとめであって、買い時や売り時を判断するものではありません。投資の最終判断は、それぞれが自分の責任で行ってくださいね。

1カ月で6万円から11万円台、また8万円台へ。値動きの大きさそのものが、今のAI半導体相場を映していました。

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