餃子もCPUも、実は同じ会社が支えている——味の素という巨人の二面性


 


餃子もCPUも、実は同じ会社が支えている——味の素という巨人の二面性


味の素株の現在地:チャートを読む

画像のチャートを見ると、3月中旬に一時4,147円まで落ちた後、4月上旬に4,814円の高値をつけ、足元(4/14)は4,600円付近で推移しています。移動平均線(青の25日線)はじわじわ下落中で、足元の株価がそれを上抜けているかがポイントになりますね。

直近では3月初旬に4,714円をつけた後、一度4,400円台まで水準を切り下げる動きがありました。 そこからの反発が今の4,600円台というイメージです。


2025年秋の大波乱:ストップ安の衝撃

2025年11月7日、味の素の株価は東京市場でストップ安となり、前日比700円(16.19%)安の3,623円で終了。出来高は通常の約3倍にあたる1,117万株超に膨れ上がりました。 

これだけ人々に愛されるブランドがなぜ? 原因は前日に発表された決算でした。上半期の売上高は6,084億円(前年比+1.1%)と横ばいに見えますが、第2四半期単体では営業利益が前年比28%減と明確に失速していました。 

価格改定後の売り上げ不振で冷凍食品の事業利益は55%減の13億円まで落ち込み、中国メーカーの増産による調味料の競争激化も重なりました。 


しかし、ここで知っておきたい「もう一つの顔」

実は味の素は”食品メーカー”というだけでは語れません。世界の半導体産業を陰で支える、驚くべき存在でもあります。

その名も ABF(味の素ビルドアップフィルム) 。

ABFとは、ICチップの土台である半導体パッケージ基板の絶縁材料として使用されるフィルムで、パソコンのCPU向けでは全世界でほぼ100%のシェアに達しています。 

1970年代にアミノ酸のノウハウから出発した絶縁性エポキシ樹脂の研究が、1999年に大手半導体メーカーへの採用という形で実を結びました。 苦節30年近い研究の賜物です。

半導体素材ビジネスの売上高は765億円(2024年度)とさほど大きくないものの、その営業利益率は驚異の50%超(402億円)。 利益面では社内の絶対的エースです。


AIブームが”追い風”に

今、世界はAI・データセンター投資に沸いています。これがABFの需要を直撃で押し上げています。

PC基板が6層のABFを使用するのに対し、HPC(高性能コンピューティング)基板は18層を使用し、基板面積も3.5倍に。AIチップ1枚あたりのABF使用量は10倍以上になるという試算です。 つまり、AIが普及すればするほど味の素のフィルムが大量に必要になる構造です。

世界のABF市場規模は2024年の約5億1,400万ドルから、2032年には約10億7,000万ドルに達すると予測されており、年平均約11%成長が見込まれています。 


直近の好転サイン

ストップ安から一転、2026年2月5日発表の第3四半期決算は「売上・利益が過去最高」を記録。事業利益は前年比約16%増の592億円と市場予想を上回り、同社は通期業績予想も上方修正しました。 

さらに2026年3月31日には、英投資ファンドのパリサー・キャピタルが株を取得し「半導体向け絶縁材料の値上げを働きかけている」と報じられ、株価は一時4,562円まで反発しました。 ABFの適正価格化が実現すれば、さらなる収益向上も期待できます。


まとめ:食品株?半導体株?いや、その両方

味の素は「餃子もCPUも作る会社」という唯一無二の存在です。食品事業(冷凍食品・調味料)は中国競合との価格競争という逆風を受けつつも、ABFというAI時代の必需品がそれを補う構造が見えてきます。

チャートが示す4,600円という現在地は、嵐を乗り越えた後の回復途上。食品の苦戦とABFの成長という両輪が今後どのバランスで動くかが、この銘柄の最大の見どころです。​​​​​​​​​​​​​​​​




※前提として、この画像(過去の値動き)だけを見た直感的・統計的な推測です。投資助言ではありません!  これはAIによる分析や個人的な予想であり、投資助言ではありません。  投資判断は自己責任でお願いします。 

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